「不動産投資で一番重要なことは何ですか?」と聞かれたら、僕はこう答えます。
「ローンを借りること。しかも長期で。」
不動産投資をする場合、最大のメリットは「レバレッジ」をかけられることです。
分かりやすくいうと「ローンを借りて投資できる」ということです。
何故、「ローンを借りて投資すること=レバレッジをかけること」がメリットなのでしょうか?
今回はこの点を説明していきたいと思います。
現金による不動産投資シミュレーション
例えば1億円の1棟マンションに投資する場合を想定してみましょう。
ネット利回りとは?
「賃料や共益費等の総収入から管理費、固定資産税・都市計画税、保険料、水道光熱費、修繕費等の運営にかかる経費を差し引いた後の利回りのこと」
NOI(Net Operating Income)利回りとも言います。
まず、ローンを使わない場合、つまり手持ち現金で取得した場合のリターンを計算してみましょう。
こちらは簡単です。
1億円 × 4.0% = 400万円
つまり、1億円投資して毎年400万円(4.0%)のリターンがあるということになりますね!
・・・当たり前ですね、、、
ローンを借りて不動産投資した場合のシミュレーション
では、ローンを借りた場合の条件を加えてシミュレーションしてみます。
こちらもリターンを計算していきましょう。
まずは実質収益の計算です。
(1億円×4.0%)-(7,000万円×2.0%)= 260万円
260万円しか残らない??
現金一括にて購入した場合は400万円の手取りでしたが、ローンを借りると実質収益は金利の分だけ減少します。
しかし、使った自己資金を思い出してください。
自己資金は3,000万円です。
ということは自己資金に対するリターンを見てみると、、
260万円 ÷ 3,000万円 = 8.66%
なんと、リターンが2倍以上の8.66%にもなりました!
これが「レバレッジ効果」です。
不動産としては同じ4.0%のリターンですが、ローンを利用して自己資金を少なくすることで2倍以上のリターンを上げることになります。
不動産投資業界では、これを「レバを効かせる」「レバをかける」と言い、投資効率を高めるためのマスト手法です。
逆に言うと、ローンを借りない(つまり、レバを効かせない)不動産投資はうま味が少ないということです。
ローンを借りられるだけ借りたほうがいいのか?
ローンを使うことでレバレッジを効かせて投資効率を高められることが分かりましたが、ローンは借りられるだけ借りたほうがいいのでしょうか?
結論から言うと、極端なハイレバレッジはおすすめしません。
先程の例で、1億円の不動産を取得する場合、9,000万円をローン借り入れとすると、金利2.0%の場合、自己資金に対するリターンは22%まで跳ね上がります。
しかし、株式投資に比べて、不動産は「流動性が低い」という決定的な問題があります。
つまり「売却したいときに、売却したい額で売却できるとは限らない」ということです。
何らかの理由により現金が必要となった場合、不動産を売却することになると、最低でもローン残債額以上で売却出来なければ、売却しても現金は手元に残らないことになります。
かつて2008年に起きたリーマンショックのような著しい不動産価格の下落が生じた場合、売却したくても売却できない、つまり現金化できないということが生じる訳です。
従って、レバレッジは多くても不動産価格の70%程度までが適正水準かと考えます。
ローンは長期で借りるべき理由
ローンは出来るだけ長期で借りるべきです。
不動産業者でない限り、不動産を買ってすぐ転売するようなことはないと思いますので、不動産を取得したら、じっくりと運用していくことになりますが、不動産マーケットは概ね10年サイクルで上昇と下落を繰り返していますので、ローン返済期日が下落の時に来ないようになるのが理想的です。
長期でローンを借りておけば、例えば来年リーマンショックのようなことが起きても、たんたんと利払いと元本返済をしておけば全く問題ありません。
最悪なことは不動産価格が下落している局面でローン返済期日が来ることです。
こうなったら、ローン残債以下でしか売却出来ないことが多く、売却してもローン債務が残るという悲惨な状況が生じる場合があります。
ちなみにリーマンショックの際、不動産を売却する場合は「半値八掛け」と言われていました。
つまり、売却希望額の40%でしか売れないという状況でした。
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